icebreakerが発表している『Transparency Report』を読むとくシリーズ、第7回をお届けする。今回は、「ZQRX」についてだ。
icebreakerは、自然と人の共生のために、自然由来の素材を100%使って製品を作ることを目指してきた。そのためにサプライヤー/生産者といったパートナーと長い時間一緒に仕事をし、次世代に向けた活動をしている。その取り組みをより大きな仕組みや持続的なムーブメントにつなげていくために、「ZQRX」プログラムにも参加している。それは一体どういうもので、何を意味するのだろう?
ZQRXって?
ZQRXは、”ZQ Regenerative Index”の略だ。一般の消費者やアクティビスト、生産者やブランドによって2006年に設立されたもので、環境や動物、そして私たちのコミュニティにとってより良い日々や仕組みを作っていくための「共同体」のようなものだ。
2023年の段階で、ZQRXに登録している生産者は、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカを含め500以上になり、ウールを使った製品づくりについてのZQRXの影響はどんどん大きくなっている。土壌が汚染されないようにしたり、生物や環境の多様性を守ったり、そして、より良い方法でウールを生産したりするための指標や基準が開発され、様々な活動が行われている。
icebreakerもZQRXに参加しながら、ニュージーランドメリノカンパニーや生産者と協力し、製品に使うウール素材がZQRX認証を受けているか、あるいは、動物や環境の保護を行っていることを証明するレスポンシブ・ウール・スタンダード(RWS)認証を受けているかの確認を行うなど、「今」私たちにできることを実践してきた——そして、現段階でicebreakerにウールを提供している生産者の93%がZQRX認証を受け、RWS認証を受ける生産者については100%になった。
それだけではない——icebreakerはまた、生産者を支援する活動である「The icebreaker Growers Club」のプログラムの中でも、とりわけ「One-VF Wool Caceship」に力を注ぎ、次世代の牧場主やウール事業に関わる人材を支援している。ZQRXに加入している生産者とのロングタームでの契約を含め、icebreakerは、「今」私たちが、地球や自然環境に対してどのようにポジティブな影響を与えることができているのか、ということだけではなく、「これから」の次世代へのサポートを視野に入れた活動を行っているのだ。
icebreakerは、動物も人も環境も、あらゆるものが含まれる「共同体」の旅を、これからも続けていこうと考えている。
「ギブ・バックしたい」に続く。
Illustration by Akina Haga 2025