icebreakerは、天然由来の素材を使って製品を作るために、「顔」の見えるパートナーを大切にしている。10年というロングタームの契約を通して、安定した事業運営を行うだけではなく、次世代に繋ぐ。『Transparency Report』で語られるicebreakerとみんなの約束を紹介する。
icebreakerは長く、安定した取り組みを進めていくために、10年単位でサプライヤー/生産者と契約をしている。その数は、みんなの「顔」がわかる約70だ。サプライヤーは多い方がもちろん良いのかもしれないが、私たちは、「顔」のわかるパートナーと長い時間をかけてより良い関係を築いていきたいと考えている。
みんなとともに
icebreakerが、The New Zealand Merino Companyや生産者と10年というロングタームで協業するという契約体系を構築したのは、2018年のことだ。
その当時、パフォーマンスアパレルの世界で、10年に渡ってコミットすることはまだ珍しいことだった。だがその仕組みがもたらす長い時間のなかで、生産者はicebreakerの製品作りに欠かせないニーズをじっくりと確実に理解することができるようになった。そして、農場経営について戦略的な意思決定や投資もしやすくなった。icebreakerがいま製品に使っているウールは、そんな仲間たちが長い時間をかけて生み出してきたものなのだ。
さらに、このスキームは次世代に大きなインパクトを与えるものになってきた。特にここ6年がそうだった。ものづくりの基盤があることで、次世代の生産者に事業が引き継がれ、さらには新しい生産者たちも事業を始めることができるようになった。羊毛産業全体の活性化にもつながってきたのだ。
icebreakerはまた、生産者を支援する活動である「The icebreaker Growers Club」も運営している——例えば、その活動のなかで、蛆虫が羊に寄生することを防ぐために行う羊の臀部に行う手術(ミュールジング)のやりかたをicebreakerと生産者が整えたのは、ニュージーランドでそれが法律として整備される11年も前のことだ。私たちは、事業に関わる人だけではなく、動物にとってもより良いと考える取り組みを続けてきた。
自然や人、動物や環境と共生には、長い時間が必要だ。icebreakerは、これからもそういう時間を皆と一緒に過ごしていきたいと思っている。
次回コラム(2025年秋公開予定)に続く。
Illustrations by Akina Haga