自然由来の素材だけで製品を作るには? そんな夢を実現しようとしているicebreakerが発表してきた『Transparency Report』(英語版)のエッセンスを引き続きお届けする。今回は、「どうやるかに尽きる」——素材をめぐる工夫についてのトピックスだ。
自然を前にして、人は、小さくて有限な存在だ。歩くとき、走るとき、旅をするとき、私たちは、大自然を前にして自分の限界を知る。ひとりでどこまで行くことができるのか、どこまでしか行くことができないのか、良くわかるようになる。
どうやるかに尽きる
でも、2人だったら、3人だったら? ひとりで進むことのできる距離は短くても、皆でつなげばずいぶん遠くに行くことができる。見たことのない景色を目にすることができる。
私たちicebreakerの事業運営についても同じことが言えるかもしれない。
天然繊維だけで製品を作るには、素材や原料の研究、生地づくり、製品の企画や販売、サポートまで、やることは多い。それを、皆で手を取り合って進めてきた。
例えば、製品の原料となるウールや繊維についてだ。icebreakerは、その全てをRWS認証された生産者/パートナーから調達している。そのうち79.98%は、品質だけではなく、羊/動物の福祉や健康、環境に配慮したウールを調達するためのZQRXプログラムを通して生産されているものだ。
それから、私たちは、コットンやリネンはもちろん、木材/パルプを使った天然由来の素材をウールに組み合わせた製品も作っている。Cool-Lite™ シリーズでは、ベルギーの自然の中で育った木材を原料にし、FSC認証された素材TENCEL™ Lyocellを使っている。優れた吸湿発散性があり、自然由来の多様な原料を使った製品作りの可能性を広げるものだ。
色々な仲間との試行錯誤を続け、私たちの製品を100%天然由来のものにしたい。それによって、私たち人間が作るものをより良いものにしたい。人間だけではなく、自然や動物、生物多様性を含めたコミュニティ全体をより良いものにしたい。
icebreakerは、そうやって皆と一緒に旅を続けて、新しい景色を見たい。いつもそう思っている。
「やっぱり進んでいる」に続く。
Illustration by Akina Haga