icebreakerは、メリノウール、木材/パルプ由来のTENCEL™ Lyocellに加えて、更なる天然由来の素材の可能性を追求している。そうやって多様な選択肢がもたらされることは、一体どういうことなのだろう? 『Transparency Report』をさらに深く読み解いていく。
引き続き、素材についてだ。
icebreakerは、メリノウールやTENCEL™ Lyocellに加えて、さらに多様な仲間と様々な素材を開発して製品を作っている。
Hyosung社と協働してトウモロコシを原料にしたバイオベースの素材を開発し、ポリウレタンを置き換えようとしている。それから、Fulgar社との取り組みでは、トウゴマを使うことによって、ナイロンに替わる素材も使っている。
やっぱり進んでいる
石油化学製品を使用せず製品を作るという目標に向かって、icebreakerはそんな風にパートナーや素材を多様化してきた。
2024年の春夏コレクションでは、icebreakerの製品生産ラインに残っていた合成繊維のうち14%をバイオベースの素材に置き換えることができた。2024年秋冬コレクションでその割合は22%がバイオベースになった。
一気に全てを変えることはできないけれど、振り返ってみると、やっぱり進んでいる。
アルバート・アンデューラ(心理学者、カナダ、1925-2021)は、「コレクティブ・エフィカシー」という言葉を使った。共通の目標を持つ人々が一緒に何かに取り組むことで、より大きな効果を発揮するようになるという「みんなのちから」を説明する概念だ。
icebreakerは、化学繊維を天然由来の素材に置き換えるためのオルタナティブをもたらそうとしてきた。そのとき、沢山の仲間の多様なアイデアの集積が具体的な施策になり、製品に結実していく。そんなプロセスを通して、私たちは「みんなのちから」をまたひとつ知ることができる。
そしてその「ちから」は、長い時間をかけて発揮されていくものなのだ。
それはこういう仕組みによるものだ——。
「みんなとともに」に続く。
Illustrations by Akina Haga